「ガラスのうさぎ」像
神奈川県中郡二宮町二宮838 JR二宮駅前
白状するが、わたしは「ガラスのうさぎ」(作・高木敏子)を読んだことがない。実は「はだしのゲン」(作・中沢啓治)もさわりぐらいしか見たことがないし、1回だけ見たことがあるアニメ映画「火垂るの墓」(原作・野坂昭如)は、もう見たくない。
毎年8月になるとテレビや映画で放送・放映される戦争ドラマもずっと避けてきた。
反戦ものが嫌いなわけではない。書かれていることが悲惨すぎて怖いのだ。現実逃避ではない。本当に戦争が恐ろしいのだ。
ガラスのうさぎが空襲の熱で溶けてしまったガラスの人形だということは知っている。似たようなものは、広島の原爆資料館でも見たことがある。空襲や原爆のむごたらしさも、愛する人を亡くした人々の悲しみもわかる。完璧に理解しているかと問われれば、少し言葉を濁すかも知れないが、もう二度と戦争を起こさないようにしようと心に誓う程度には理解しているつもりだ。
それで赦していただきたい。
二宮駅前でじっとわたしを見つめる少女は、わかってくれただろうか。