吾妻山公園の菜の花
神奈川県中郡二宮町山西1084
東海道を走って二宮に近づくと、前方に大きな山が見えてくる。山が海に迫って尾根が張り出しているのではなく、平らなところにそこだけ盛り土をしたような姿だ。
その名を吾妻山といい、標高は136mもある。山頂近くに祀られている吾妻神社には縁結びの御利益があるそうだ。
山頂にある町営の吾妻山公園には、車はもちろん自転車でも登ることはできない。麓に駐車場は無く、自転車を路上駐輪するスペースもない。電車で来て駅から歩くのが一番良いアプローチなのだが、わたしはもうここまで自転車で来てしまった。
仕方がないので自転車を担いで少し吾妻神社の参道を登り、途中にある小祠の境内に置いて歩き出した。
見晴らしの利かない山道を登って山頂に出ると、青く澄んだ空の下に黄色い菜の花畑が広がっていた。正面には大きな富士山、見下ろせば相模湾、伊豆半島や大島の島影も見える。東京では絶対に見られない絶景だ。
ここまで雲一つ無い空の下に白銀に輝く富士を見てきたのに、ここに来て急に雲が出て山頂を少しだけ隠してしまった。おまえなんかに100%の景色を見せてなるものかと、天使が意地悪をしているとしか思えない。また来ればいいさ、と軽く言えない距離だけに残念だが、これでも十分すぎるぐらいだと謙虚に思っておけば、次には良いことがあるかもね。