三原山火山溶岩原
東京都大島町野増
"Danger ! Danger ! Danger !"
ハワイ島のキラウェア火山にある火山博物館(Thomas A. Jaggar Museum)で見たビデオの、画面に躍る"Danger !"の文字が脳裏に甦ってくる。
キラウェアは今も溶岩を噴出している活火山だが、爆発をしているわけではないので観光客の立ち入りが可能で、溶岩の上を歩く観光ツアーなどもある。しかし、勘違いしてはいけない。最大級の危険が足元にあることを認識した上で、安全に留意して行動するように、とビデオは繰り返し警告を発していた。
ハワイ島のようにむき出しの溶岩流が見えるわけではないけれど、三原山が噴火したのはほんの30年前の1986年。その溶岩流の跡が、外輪山の内側にひろがっている。同じ溶岩原でも、浅間山山麓の鬼押出しに比べると「地味」というか、迫力に欠ける印象はあるけれど、つい最近の出来事だったというリアル感が心に迫ってくる。
たった30年でも溶岩は草に埋もれ、遠い昔を懐かしむような顔をしている。そう言えば、多々良島に現れたウルトラ怪獣マグラはこんな顔をしていたなぁ。真っ黒な顔の奥に見える口の中は真っ赤だった。裂け目からまだ熱い溶岩を覗かせながら、じわりじわりと進んでくる黒い溶岩の塊、ハワイの火山博物館で見た映像は、まさにマグラだったんだな。
"Danger ! Danger ! Danger !"