泉津三原神社
東京都大島町泉津字腰之下
岡田港へ戻る途中、泉津の集落で三原神社の案内を見つけた。富士山頂の奥宮と麓の浅間神社本宮のような関係で、三原山山頂の三原神社に対するものかと思ったのだが、それにしては小さくて路地裏の屋敷神のような雰囲気だ。道路脇に案内板がなければ見過ごしていただろう。
どうやら三原神社には浅間神社で言うところの本宮のようなものはないようだ。頻繁に山頂まで登ってお詣りすることはできないので、麓の各集落で設けた遥拝所が三原神社を名乗って祀られているらしい。
細い路地の奥に進んでいくと、鳥居があり、その脇に立つ大きくうろの開いた大木に迎えられた。タメの木だという。聞いた事のない名前だが、調べてみるとタブノキ(イヌグス)を島ではタメノキと呼ぶのだという。グニョグニョと伸びた枝が気持ち悪い。こんなことを言っては不謹慎かも知れないが、南国のジャングルで邪神の宮に迷い込んだような気分になる。
ちなみに、八丈島ではマダミと呼ばれ、黄八丈の染色(鳶色)にこの木の樹皮を使うのだそうだ。
船の時間が迫っていたのでそそくさと出てきてしまったが、後で説明をよく読むと入口の石垣にデザインされたひょうたんと椿が見所だったようだ。港に着いてみると、時刻表を読み間違えていて、持て余すほどに余裕があった。あぁ、それならばもっと丁寧に見てくれば良かった。