第一海堡・第二海堡
千葉県富津市富津沖
横須賀と富津の間の海上に、得体の知れない島がある。細長くて平べったい島の真ん中に灯台が建っていて、まわりには崩れかけた建物や堤防のようなものが見える。軍艦島の廃墟をミニチュアにしたような景色だ。
そこから千葉側に目をやると、ひょっこりひょうたん島のような島影。そちらは遠くて詳細はわからないが、この島よりは自然に近いような雰囲気だ。
この二つの島は「海堡」と言って、レインボーブリッジの下にあるお台場と同じ海上要塞だ。千葉側から第一海堡(明治23年(1890)竣工)、第二海堡(大正3年(1914)竣工)と続き、横須賀側にあった第三海堡(大正10年(1921)竣工、関東大震災で水没)、猿島(横須賀沖の自然島)と共に海防ラインを築いていた。
関東大震災の被害により要塞としての機能はほとんど失われ、その後の兵器の進歩や戦術の変化によって無用の無人島となった海堡だが、その構築技術は今の海洋・港湾建設技術の基礎となって活かされているという。第二海堡には以前釣船が通っていた時期もあったが、今は施設が老朽化して危険なため立入禁止となっている。
釣りはしないけれど、どんなところか行ってみたかったな。