2017年6月16日(金)

東京藝術大学 赤レンガ1号館

東京都台東区上野公園12-8

赤レンガ1号館

バベルの塔を見に芸大に入って、自転車置き場の場所を尋ねた守衛所の建物が気になった。昭和の中頃なら町中で普通に見られた、と思われる木造平屋建ての民家風。一家四人が普通に暮らせそうな大きさに見える。

守衛所

もくもくと入道雲のように湧いた、そう、映画「となりのトトロ」で一夜にしてドングリから森が誕生したシーンを彷彿とさせるような木々がおもしろくて一緒に写真を撮ったら、後ろに煉瓦造りの建物が見えた。

深い考えもなくついでに一枚撮り、家に帰ってから調べてみると、なんと明治13年(1880)に建てられた都内に現存するなかで最古の煉瓦建築だった。設計は林忠恕。その奥には明治19年(1886)築の2号館もあったのだが、撮り逃してしまった。

もとは教育博物館(科学博物館の前身)の書籍閲覧所書庫として建てられたということで、耐火性を重んじて窓に重々しい鉄扉がついている。西洋の昔話に登場する、お城のお姫様が両開き窓を開けて小鳥たちに挨拶するシーンが目に浮かぶような、軽やかにアーチ窓が連なるデザインが印象的だ。

内部には談話室が設けられて、同窓会などに使用されているそうだ。