滝坂道
東京都渋谷区円山町
道玄坂上交番前に「滝坂道」と書かれた標柱を見つけた。道玄坂から西へ、京王井の頭線神泉の駅前を通って山手通り方面に延びる飲み屋街の小道を滝坂道というらしい。
渋谷は坂の街だ。JR渋谷駅を底にする道玄坂と宮益坂を代表に、ほかにも小さな坂がたくさんある。
この道も神泉の谷に向かって下っていくのでその坂を滝坂というのかと思ったら、調布の滝坂に由来していると説明書きに書かれていたので驚いた。ここから淡島通り(都道423号)を経て豪徳寺の北を掠め、経堂駅前から蘆花公園を経て甲州街道の滝坂の上に出る道(都道118号)がかつて滝坂道(青山道)と呼ばれていた旧道なのだそうだ。
実はこの道は、わたしが調布から渋谷へ通う自転車通勤路の一部なのだ。淡島通りから西は交通量の多い幹線を避けて裏道を走っているが、無意識のうちに先人たちの記憶に導かれて道を選んでいたということだったのか。そもそも職場が渋谷になったというのもなにかの縁かもしれない。
不思議な縁(えにし)を感じる出会いだった。