宮島の鹿
広島県廿日市市宮島町
宮島には鹿が多い。同じように鹿の多い奈良からの連想で、厳島神社の神使が鹿なのかと思ったが、どうやら違うようだ。
奈良で鹿が大事にされるのは、茨城の鹿島神宮から奈良の春日大社に、神様が鹿に乗って来たことに由来してる。一方の厳島神社には、鹿に関する伝承は見当たらない。
厳島神社は宮島全体を御神体としているので、島での無闇な殺生を禁じている。そのために鹿が増えた(減らなかった?)らしい。でも、なぜ鹿だったのだろう。猿や狸は増えなかったのか?というところが不思議でもある。
奈良では鹿せんべいを鹿にあげるのが恒例だが、宮島では人に慣れすぎた鹿を野性に返すためにエサやりが禁じられている。とは言っても、楽してエサにありつける術を憶えてしまった鹿の習性を元に戻すのは難しく、エサを求めて観光客を襲う(ように見える)場面を何度も目にした。
右の写真は島内のトイレなのだが、入口には鹿除けの柵が設けられている。人間が檻に入るところが、一般の動物園とはあべこべだ。建物も堅牢な石垣のような作りになってる。まさかそこまでしなくても良かろうにと思うのだが、周りには土砂崩れ防止用と思われる石積みが多く見られるので、景観に配慮してカムフラージュしているのだろう。こんなトイレは初めてだ。