南長崎の木
東京都豊島区南長崎2丁目
大木が車庫の屋根を突き破って聳えている。でもまさか、そんな数十年で木が伸びたとは思えないから、元々あった木を保存しつつここに車庫を造ったのだろう。そうしたくなる見事な樹形だ。
家の前の道はこの前で少し斜めに曲がっていて、手前から近づくと、この木がちょうどアイストップとなって道の奥に鎮座するように見える。
この町一帯に目を光らせる古老なのかな。車庫の壁に這うツタもイイ感じだ。
近くには、せっかく南向きなのに庭を木々が埋めて暗くなってしまっているアパートもあった。右(東)側の柿の木はともかく、道路側のシイの木はちょっとやそっとでは伐れそうにない。木は立派だけれど、住んでいる人は困っているだろう。いや、案外それが気に入って住んでいるのかも。
真っ暗な部屋の中でマンガ家のタマゴがカリカリとペンを走らせる第二のトキワ荘みたいなところなのかも、と、ふと思った。