2017年10月31日(火)

亀の子束子西尾商店

東京都北区滝野川6-14-8

正面

亀の子束子(たわし)の原材料は棕櫚(シュロ)だった。今は原材料が不足したためヤシの実の繊維に変わっているが、高級品にはシュロを使うモノもあるそうだ。

シュロ

だから、亀の子束子西尾商店(本店)のまわりにはシュロの木がたくさん植えてある、のかと思ったがたぶん違うだろう。

洋館の周りにはシュロを植えてある例が多い。和風の松より異国情緒を感じさせるシュロの方が似合う気がする、ということなのだろうと思う。この建物が建てられたのは大正11年(1922)。創業100年を超える同社にふさわしい雰囲気のある建物だ。

もう産まれる前から見慣れている(?)形なので気づかなかったが、あの形のたわしは亀の子束子西尾商店の発明品で、明治40年(1907)年に誕生し、大正4年(1915)に特許を取得している。もちろん「亀の子束子」は登録商標で、たわしに「束子」という漢字を当てるのも同社が始めたことらしい。

古くさいイメージがあって若い人の中には使い方が分からない人もいるという記事をネットで見かけたが、狭い店内にはお客さんがあふれていた。今も廃れることなく人気を保ち続けているようだ。