2017年11月29日(水)

横浜港シンボルタワー

神奈川県横浜市中区本牧ふ頭1-16

横浜港シンボルタワー

今の今まで横浜港のシンボルタワーはマリンタワーだと思ってきた。まさか、そのものズバリ「横浜港シンボルタワー」という名前の施設があるとは夢にも思っていなかったけれど、みなさんはどうだろうか。

公園

シンボルタワーが建っているのは山下公園などの観光地から離れた本牧埠頭D突堤の先端。周りには一般人の入れない港湾施設が並び、大型のトラックが行きかっている。近くには海釣り施設もあって市民の憩いの場所ではあるけれど、アプローチがちょっと難儀だ。

高さ106mの横浜マリンタワーに対してこちらは48m。道案内に従って行けども行けども、まわりの建物に隠れてなかなかその姿を現さない。名前倒れなんじゃないか、と思い始めたところに真っ白なロケットのような塔が見えた。

設計した国建築事務所(1991年株式会社国設計に改称)によれば、「緑の古墳に降り立った宇宙船」をイメージして遙かなる過去と未来が出会った一瞬を表現しているのだそうだ。竣工は1986年。塔の下部に巻かれたチューブ型の展望ラウンジが、映画「2001年宇宙の旅」に登場した宇宙ステーションのようでもあり、今まさに飛び立とうとしているロケットの噴煙のようにも見える。

高さ36.5m(海抜42.4m)の展望室にはエレベーターが無く、階段を上るのは結構しんどい。そのせいか訪れる人は少なく、猫の額のように狭い展望室は、音もなく静まりかえっていた。360度の絶景に包まれて、たくさんのものが見えるのに何も聞こえない。それは、無音の宇宙空間に抛り出されたコックピットのような不思議な空間だった。

横浜港シンボルタワー案内板