代官山の秋
東京都渋谷区猿楽町
代官山の秋はケヤキの紅葉が美しい。お洒落な町に生まれ変わる前からこの地にあった古木たちが伐られずに残されて、鮮やかに色づいた枝を大きく伸ばしている。
大きな木々に囲まれて山小屋のように見えていたCafeは、この季節が一番きれいに見える。スペイン瓦のオレンジにケヤキの黄葉がよく似合う。
斜向かいのヒルサイドテラスF棟は、大きなケヤキの木を抱え込むようにして建っている。白い建物と紅葉のコントラストが美しい。
秋は枯れ葉のつもった道を物思いにふけりながら歩くのが気分だ。冬になる少し前、晩秋の景色には落ち葉が似合うと思うのだが、今はすぐに清掃の手が入ってしまうので、晩秋を通り越してすぐに冬が来てしまう気がする。
往年の詩人たちは、歩道に舞う落ち葉に自分を投影したり、時の移ろいに思いを馳せたりしてきたけれど、今の人たちはどんな風に思っているのかな。