2017年11月1日(水)

東京農工大学

東京都府中市幸町3-5-8(府中キャンパス)

裏

東京大学安田講堂などを設計した内田祥三が指揮を執り東京帝大営繕課が設計をした東京農工大学農学部本館は、重々しいイメージの東大の建物とは対照的に、白いモルタルとアクセントに用いられたスクラッチタイルが軽やかな印象を感じさせる建物だ。

正面

昭和9年(1934)に竣工してから80年以上の時が経ち、成長した木々が鬱蒼と茂っているけれど、これが開放的な芝生広場に建っていたらカリフォルニアか南欧の雰囲気を味わわせてくれたかもしれない。

四面に設けられた時計台も木々に隠れて見にくくなっている。

そういえば、最近は時計台やそれに類する建物を見ることが少なくなったような気がする。みんなが腕時計を持つようになったから必要がないと言うことなのだろうけれど、その腕時計も今はしている人が少ないようだ。わたしのまわりでは、時間を確かめる時にケイタイやスマホを見る人が多い。時計店には数十万円もする高級腕時計が並び、時間を知る道具としての腕時計は需要が減っているように見受けられる。

この建物の全景を写真に撮ろうとすると、木の陰で暗くなった三階までと光を浴びた時計台のコントラストが強すぎるために、時計台が露光オーバーで飛んでしまってほとんど写らない。

時計台を必要としなくなった時代を身を持って表現しようとしているのかな。ふと、そんなことを思った。

※ 右の写真はレタッチでコントラストを補正して時計台が見えるようにしました

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