南板橋公園
東京都板橋区板橋1-39-1
子どもは遊びの天才だ。大人にはなんの変哲もないように見えるものや場所に想像力を働かせ、いろいろに見立てて楽しそうに遊ぶ。そういう想像力を喚起しようとしたのか、あるいはそれに便乗して手を抜いたか、時々、意味不明の遊具や設備のある公園を見かけることがある。
南板橋公園で見かけたこの階段、高低差のある二つの広場をつないでいるのだが、意味不明の構造をしている。
砂場を観客席に見立てたステージのようでもあり、敵の侵入を阻んで進路を鉤形に曲げたお城の枡形のようにも見える。子どもたちは、そんなあれこれを想像しながら遊ぶのだろうか。
園内にはすべり台やはしご段などを組み合わせた砦のようなアスレチック遊具が置かれていた。最近の遊具は、多目的ではあるけれどどうやって遊ぶのかが想像できてしまうところがおもしろくない。
ここで子どもたちがどんな風に遊ぶのか見てみたかったけれど、平日の公園は人影もなくひっそりとして、栄華の時を過ぎた城跡のようだった。