西郷隆盛像
東京都台東区上野公園1-57
今年のNHK大河ドラマは「西郷どん(せごどん)」。「西郷殿」を鹿児島弁で発音するとこうなるのだそうだ。
というわけで、上野公園の西郷さんの銅像を見に行ってきた。有名な銅像ではあるけれど、有名すぎて、今までじっくりと見たことがなかったのだ。
銅像の除幕式の際、臨席した糸子夫人が「主人はこんな人じゃなかった」というような意味の発言をしたことがよく知られている。顔が似ていないとか諸説あるが、「西郷どん」の時代考証を担当している志學館大学の原口泉教授によれば(※)、「浴衣姿で人前に出るような失礼な人ではなかった」という意味だったらしい。各地に残る偉人の銅像は鎧兜や軍服、最近なら背広にネクタイと皆正装で、こんなにラフなのは珍しい。
そもそも「西郷どん」とか「西郷さん」という呼び名が偉人ぽくない。親しみを込めてさん付けで呼ばれる彼の人柄が、この銅像の姿にも表れている。
と言っても、これは「となりのおじさんが浴衣姿で犬の散歩に出た図」とは違う。モチーフになったのはウサギ狩りの様子で、西郷さんは狩りに使う猟犬(薩摩犬)を何匹も飼っていたという。連れている犬は「ツン」という名で知られている。
ちなみに、教授によれば、「銅像の除幕式」というイベントが日本で初めて行われたのも、この西郷像だったそうだ。
※ NHKラジオ第一 2018年1月9日放送 「すっぴん!インタビュー」