2018年1月11日(木)

比留間歯科医院

東京都台東区東上野4-1-5

窮屈

こどものころ「ちいさいおうち」という絵本が好きだった。バージニア・リー・バートン作、いしいももこ訳。つい最近、同じように繰り返し読んだ「せいめいのれきし」と同じ作者だったことに気がついた。そういえば、どちらも私たちのまわりに流れる時間を、上手に魅力的に表現していたな。

比留間歯科

上野駅の近くに建つこの建物は、「ちいさいおうち」さながらにビルとビルの間に挟まれて窮屈そうにしている。3階建てなのでトレーラーに載せて郊外へ運ぶわけにはいかないけれど、軽井沢あたりの避暑地が似合いそうな瀟洒な佇まいだ。

昭和4年(1929)に初代の院長が、自ら設計して建てたのだという。右から書かれた医院名が時代を感じさせる。

下見板張りの木造山小屋風だが、家に帰ってから写真をよく見ると玄関右横のペンキが剥げて、緑青色の地が見える。防火のために銅板仕上げになっていたようだ。

きれいに並んだ縦長の白い窓が目立つのは、「歯をきれいに磨きましょう」という歯医者さんのメッセージなのかな?