高尾山
神奈川県横浜市緑区長津田町5707付近
横浜に高尾山があるとは知らなかった。なんの気なしに地図を見ていて東名横浜インターの近くで発見した「高尾山」は標高100.5m。八王子にある本家(599m)の六分の一ほどしかないけれど、なんと、横浜市唯一の一等三角点があるという。これは行ってみなければ!
わが家から多摩川を渡り、鶴川街道を走って三沢川を遡る。川崎市と町田市の境界の分水嶺を越えて真光寺川の谷に降り、もうひと山越えて鶴見川側へ。薬師池公園付近でまた上り下りして恩田川に出たら、もう一回山を越えて境川流域の町田街道を走り、恩田川支流の岩川へと乗越す尾根の上にあるのが目的の高尾山。標高は低いけれど、いくつもの峠を越えて辿り着くと山深い高山に登ったような気分になる。
果たして山頂からの展望は、丹沢山塊を正面に町田、厚木、相模原あたりを眼下に望む素晴らしいパノラマが広がっている。今日は雲に隠れていたけれど、富士山もよく見えるに違いない。本家にも劣らない絶景に思わず快哉を叫んでしまった。
山頂に祀られた飯縄神社は高尾山本家の飯縄大権現を勧請したものだという。富士講や大山講と同じように、この地域では高尾山に詣でる高尾講があった。その講の人たちの心の拠り所として今も大切に守られている様子だ。
わたしがしばらく滞在していた間にも、あとからあとから切れ目なしに近所の人たちが散歩にやってくる。ミシュランガイドには載っていないけれど、横浜の隠れた名所と言っても過言ではないだろう。