あらいぐまラスカルのマンホール
東京都多摩市関戸1丁目、4丁目
わたしの子ども時代、日曜夜のフジテレビ(CX)はアニメ王国だった。6時台の「ハクション大魔王」「いなかっぺ大将」「科学忍者隊ガッチャマン」「サザエさん」などに始まり、7時になると「アタックNo.1」「マジンガーZ」そして「ムーミン」や「アルプスの少女ハイジ」などの名作劇場までの2時間はテレビの前に釘付けだった。
その7時半からの枠で世界名作劇場を制作した日本アニメーションの本社スタジオがある縁で、多摩市の聖蹟桜ヶ丘駅周辺に「あらいぐまラスカル」のカラーマンホールが設置された。
雨水は山桜、汚水はイチョウをあしらった異なるデザインだが、ベースは同じものを塗り分けて2バージョンにしている。踏んでしまうのが申し訳ないようなかわいさだ。
わたしがアニメをよく見ていた時期はラスカルの直前の「母をたずねて三千里」までだったので、弟たちが見ているのを横目で見たかもといううっすらとした記憶しかないのだが、愛くるしいアライグマの仕草はなんとなく頭に浮かんでくる。再放送かアニメ名場面集みたいな番組で見たのかもしれない。今でも愛されている作品だ。
世界名作劇場は、土曜日の「まんが日本昔ばなし」(TBS)とともに、図書館で読む絵本のような優しい雰囲気が好きだった。どちらも21世紀を迎える前に放送は終わってしまったけれど、今でも時々、特番が組まれたり再放送されたりしているらしい。
毎年新しく始まるアニメにも話題作は多いけれど、ふと戻りたくなるふるさとみたいに思っている人が多いんじゃないかな。