2018年2月24日(土)

ぼてふり地蔵尊

神奈川県横浜市鶴見区佃野町23-40 つくの地蔵堂

ぼてふり地蔵尊

赤ん坊のようにほっぺたがぷくぷくでかわいらしいお地蔵さん。近年の創作地蔵のように見えるけれど、実際には江戸時代からある由緒あるお地蔵さんだ。空襲で失われたものを平成15年(2003)に再建したのだそうだ。もちろんこの顔は平成の作だろう。

つくの地蔵堂

かつてこの地域にはハマグリやアサリなどの行商をする「ぼてふり(棒天売)さん」と呼ばれる人たちがいて、現在の三角(みかど)交差点付近に建っていたお地蔵さんに商売繁盛の願掛けをしていたのだという。その方法は、朝、行商に行く前にお地蔵さんを倒していき、品物が売れるとそのお礼に起こして帰るというものだったそうだ。その故事に倣ってお地蔵さんの肩には天秤棒が掛けられている。

地蔵堂に並んだその他の地蔵尊は、周辺に散在していたのを昭和18年頃に集めたものらしいのだが、添えられた紙の説明書きが破れていて、ぼてふり地蔵再建の由緒も含め詳細を読み取れないのが残念だ。