2018年2月24日(土)

海芝浦駅

神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目

駅

海芝浦駅には自転車で行くことができない。

深山幽谷の地でも、絶海の孤島でもなく、首都圏から通勤圏内で電車も普通に通っているのだが、外からそこにアプローチする道がない秘境駅なのだ。

海芝公園

電車で訪ねたとしても、駅は東芝の工場の中にあるため関係者以外は改札を出ることができない。工場に勤務していない一般人は、通勤時間帯以外は2時間に一本しかない電車で行き、乗ってきた電車が折り返すまでの15分の間、駅構内をただうろうろして過ごすだけということになる。そういう人のために、海芝公園という駅の外でもあり中とも言える緩衝エリアが併設されている。

それでも行きたいのは、プラットフォームから海が見られるからだ。間近に東京湾を行きかう船や鶴見つばさ橋を望む絶景はいつまで見ていても飽きない(、とは言っても2時間は無理だな)。

海芝浦駅の1日の平均乗車客数(※)は3,250人、そのうち258人は普通乗車券利用者、つまり通勤(定期)以外で訪れる一般人だ。平均だから日によってはこれ以上の人が訪れることもあるだろう。隣の新芝浦駅の平均利用者362人を越える日もあるかもしれないと思うとおもしろい。

今日もたくさんの人がわたしと一緒に駅に降り立った。父親と一緒に来た子どもが「僕たちみたいな人もけっこういるんだね」とはしゃいでいる。わたしは浅野駅前の入船公園に自転車を置いて2駅分だけ電車に乗ってきたので、別世界に行く遊園地のアトラクションを体験しているような気分だ。この非日常、子どもでなくてもワクワクする。

※ 平成20年度、横浜市統計ポータルサイトによる