粟辺・溶岩流跡
東京都三宅村阿古1232付近(西側)
粟辺バス停から山側を見ると、1983年の噴火時に流れ出した溶岩の跡が黒々と広がっている。振り返って見る海側にも、同じように溶岩の跡が見える。溶岩流は山を下り、都道を乗り越えて海へと落ちていったのだ。
道路との境には丈の高い草が生えていて、かつてここを溶岩流が横切ったという緊迫感は薄れているけれど、その奥には生きものの気配がほとんど感じられない溶岩原が黒々と広がっていて不気味だ。
バス停を過ぎて新澪池方面に少し走ると、噴火で飛んできた岩塊が歩道の脇に並べられているところに出会う。こんな大きな石が空から降り注ぐ景色はとても想像ができないが、紛れもない事実であることを示すために展示されているのだ。
この前後の区間は、原生林や集落が無く開放的な気分でサイクリングが楽しめる。火山被害が多いから開発されていないという事実と、集落がないから自然の中を思いっきり走る楽しさが味わえるという相反する現実に少し気分は複雑だが、ゴメン、楽しさの方が勝っているかも。