為朝の打ち抜き岩
東京都三宅村坪田1333付近から
坪田漁港を見下ろす高台の道端に説明板が立っている。「右手前の空洞のある岩は…」と説明があるのだが、近くにはそれらしいものが見当たらない。足元か、木の陰か、はたまた右左を間違えていないか、とあちこちキョロキョロと探したあげく、遥か彼方の岬の先に穴の開いた岩を見つけた。
あれか!
確かに右手ではあるが、手前ではない気がする、といういちゃもんはさておき、ここから弓を射て大岩を打ち抜くとはかなりの凄腕だ。向かいに見える御蔵島にも飛礫石を投げて届かせたという。伝説とはいえたいしたもんだ。
大島でも八丈島でも為朝の伝説を聞いたので、他人とは思えない親近感を感じる。本土からみれば島に流した悪者でも、迎え入れた側から見れば、今までに知らなかった文化を持ち込んだり役に立つ仕事をしてくれた英雄なのだ。
その記憶が1000年近くたった今も語りつがれている。