2018年5月18日(金)

不動の滝

東京都西多摩郡檜原村三都郷3124付近対岸

不動の滝

いつも対岸から眺めている不動の滝に行ってみることにした。都道から秋川に下りる道があるし、渓谷もそれほど険しいようには見えない。

秋川

川に下りてみると、流れは穏やかで、それほど深くもなさそうだ。ゴロゴロと転がっている石を手がかりに渡ってみようと、一足入れて悲鳴を上げた。

水が冷たすぎて足が痺れる。

5月も半ばを過ぎれば東京の山・奥多摩にはもう残雪を見ることはない。雪解け水なんていう言葉は、その存在すらも忘れるほどに山は緑に覆われている。キャンプ場で水遊びをするぐらいの軽い気持ちできたわたしには、文字どおり「冷や水を浴びせられる」体験になった。

何とかかんとか対岸に渡り、大石を乗り越え藪を漕いで滝壺にたどりつく。滝の名前はお不動様が祀られていた事に由来するというが、滝そのものの一糸乱れず真っ直ぐに落ちる姿も「不動」というイメージ通りだ。そのひそやかで凜とした佇まいは、人跡未踏の山奥に人目を避けてお隠れになった神仏のようにも見える。

とすれば、あの身を切るような厳しい渡渉は、来訪者に科せられた水垢離だったのだな。

案内板 | 対岸から見る景色