稲荷山公園のヤマユリ
埼玉県狭山市入間川4-14
美人を花にたとえるとすればなんだろう、と考えて、一番に浮かんだのがヤマユリだった。名前にしても、百合子さんってお淑やかで美しそうな感じがする。バラも美しいし、サクラも悪くないけれど、薔薇子さんではおかしいし、サクラが美しいのは花そのものではなく木全体の立ち姿だ。
ところが、その百合子さんにはなかなか会えない。例年、ヤマユリの見頃は梅雨明け間際の激しい雨の時期に重なっていて、自転車に乗れないことが多いのだ。
それが今年は梅雨が短く、6月中にあっと言う間に明けてしまって、あとは暑く晴れた日が続いている。熱中症は心配だけど、こんなチャンスは滅多にないので、覚悟を決めて入間の稲荷山公園まで走ってきた。
展望台のある市営稲荷山公園の北斜面は、以前からカタクリやツツジの名所として知られていたが、一昨年、10年ぶりに自生のヤマユリが発見されたのだ。発見当時は400株ほどだったものが、地元ボランティアグループが大切に育てた結果、今年はおよそ1.5倍に増えたという。ニュースでも報道され、たくさんの人が観賞に訪れていた。
大きな花を重たそうに垂れていつも下を向いている花だけど、ここでは斜面に咲いているので下から仰ぎ見ることができる。青空をバックに美しさが引き立つアングルだ。暑い中、がんばって走ってきて良かった。