2018年7月10日(火)

クロスケの家

埼玉県所沢市三ヶ島3-1169-1

クロスケの家

狭山丘陵に点在する雑木林を買い取り、「トトロの森」と名づけて自然のままの姿で残すナショナルトラスト運動を推進している公益財団法人トトロのふるさと基金の活動拠点がクロスケの家だ。

トトロ

主屋、蔵、茶工場からなる築100年を越える古民家はきれいに掃除され、真っ黒クロスケ(すすわたり)の姿は見当たらない。座敷には大きなトトロ人形が座り込んでいた。

「トトロの森」と言うけれど、映画「となりのトトロ」(1988)でトトロが住んでいたのは神社の御神木と思われる巨木の洞の中。サツキとメイの夢の中(?)では一晩で木の実から巨木を生じさせる荒技を披露しており、トトロは森の精というよりは古木あるいは巨木の精(木霊)なのだろうと思われる。

映画の舞台は森(雑木林)よりも、その雑木林で薪炭や山菜などをとる生活をしていた里山の方だ。茶畑が広がる狭山では、そんな昭和の昔を懐かしむような里山の風景を随所で見ることができる。写真を撮って帰ろうとしていたところに、年配のウォーキンググループの一団がやってきた。子供の頃に鎮守の森や、用水路で遊んだ思い出話で盛り上がっている。

「トトロの森」運動は、そういう自然と人間の共存する姿を守り、伝えていきたい、という活動なのだ。