2006年1月29日(日)

一石橋迷子しらせ石標

東京都中央区八重洲1-11

迷子しらせ石標

子供の頃連れられていったデパートで見たエレベーターは衝撃的だった。日本橋の三越だったか高島屋だったか、エレベータの扉が透明で開閉する時の蛇腹も階の途中の床構造も見えたのだ。それまで「箱に閉じこめられて移動する」と思っていたものが、「吹き抜けの煙突様の穴を上下する」というエレベータの本質に触れた瞬間だった。

今でもあるのかどうかわからないが、遠い昔にわずか1回か2回見た記憶が今も消えずに残っている。

あれからあのエレベータを見ていないのは、たぶん、日本橋が商業の中心ではなくなってしまったからだろう。日本橋三越には「三越前」という地下鉄の駅が直結して便利だけれど、三越なら銀座、高島屋は二子玉川の方に足が向く。という以前に、たいていの用事は新宿か渋谷で済ましてしまう、人の流れは昔とは、ずいぶんと変わってしまった。

明治29年(1896)に日本ではじめてのエレベータが設置されたという日本銀行本店に近い一石橋の袂には、迷子しらせ石標と言う珍しいものが残っている。まだ日本橋界隈が賑やかだった昔、続出する迷子の情報交換のための掲示板として機能していた石標だ。よく電柱に愛犬・愛猫を探すチラシが貼ってあるのを見ることがあるが、あんな感じで子供の特徴を描いた紙をこの石標に貼りだしたものらしい(犬猫と一緒にしてごめんなさい)。

話は違うが、日本で最初のエスカレータは大正3年(1914)に日本橋三越でお目見えしたそうだ。

東京都教育委員会の説明板