鷹場標石
東京都三鷹市大沢2-2-14(長久寺)
23区内なのに、世田谷では時々おもしろい、田舎っぽいものが見つかる。たとえば、大蔵の第六天や給田の六所神社には「鳥獣保護区」の赤い看板があった。久品仏浄真寺の参道入り口には「禁銃猟」と彫られた石柱が立っている。
住宅街のど真ん中で銃をぶっ放す人もいないだろうが、近年まで狩猟が日常だったということが興味をそそる。
多摩・武蔵野地区は、江戸時代には幕府の鷹場であった。「お鷹の道」や「三鷹」などにその名残を見ることができる。鷹狩りにはレジャーとしての狩りだけではなく、領地を見回るという意味もあったという。猟の名目で殿様たちに田畑を踏み荒らされ、困ったと言うこともあったようだ。
三鷹市にある東京天文台に近い長久寺には、「従是東西北尾張殿鷹場」と書かれた、尾張徳川家の鷹場を示す石柱が保存されている。市内にはこれを含めて3本の鷹場標石が残されているそうだ。3本だから“三鷹”?…まさかね。