甘泉園
東京都新宿区西早稲田3-5
神田川を下って早稲田までやってきた。都電が寄り添ってきて、面影橋の駅に止まる。目の前には古い工場があり、及川恒平(六文銭)のしみじみとした歌(「面影橋から」1971)とはいささか趣が違っていた。
工場とは反対側の、ビルの一階が吹き抜けになった駐車場の向こうに鮮やかな紅梅が見えた。江戸時代の大名屋敷の跡、甘泉園の入口だ。
門をくぐると山吹の井と呼ばれるひょうたん型の池を中心にした回遊式庭園が広がっている。雪吊りをした松が大名庭園らしい。
高低のある園内を一周すると、しっかり運動したという気分になる。池に映る雲を眺めて一息。静かに流れる時の中に佇んで帰り道を忘れそうになった。