南大沢 八幡神社
東京都八王子市南大沢1-262
東京都立大学(平成17年(2005)より首都大学東京)の建つ小高い丘の南斜面に広がる松木日向緑地は、開発前の多摩丘陵はこんな風だったのだろうかと思わせるような素朴な緑地公園だ。
その一角にある八幡神社には八王子市の天然記念物に指定されているオオツクバネガシの巨木がある。
樹齢600年以上と推定される市内最大級の樫の木だと言うが、近づいてみると大きなうろがぱっくりと口を開いていて無惨だ。しかし、樹勢は衰えている風でもなく大きく枝を広げて豊かな緑を茂らせている。
世田谷の善養寺のカヤの木も同じように幹に空洞ができていたけれど元気だった。木の生命力にはつくづく感銘する。
こういうところには何か木霊のようなものが住んでいる気がする。開発が進みすみかを追われた小さな魂が、うろの闇の中でおびえた目を光らせているようだ。木はやさしく彼を護り、彼はお礼に木に力を与えている、そんな関係があるのかも知れない。