2006年5月21日(日)

宇奈根の火の見櫓

東京都世田谷区宇奈根1-8

火の見櫓

多くの火の見櫓には、夕焼けとカラスが似合いそうな黄昏れた雰囲気がある。昔からの農村や旧街道沿いのノスタルジックな景色の中に立って、鋳造の丸ポストと同じ「昔懐かしい」という気持ちを喚起する。

半鐘

ところが、この火の見櫓はどうだ。電柱を二本並べた上に半鐘がかけられた姿は、建築に例えれば「コンクリート打ちっぱなし」みたいな新しい雰囲気がある。それでもやっぱり火事を知らせるのは半鐘なんだなと、変な所に感心する。

周囲は何でもない普通の住宅地で、しかも23区内だ。足下の格納庫には成城消防団第六分団とあった。

向かって右(西)に何本も下げられたロープは、ホースを引っ張り上げる昇降機らしい。一仕事終えたホースをここに吊して干すのだろう。ここにホースが架かっていたらどこかで火事があったということ。そんな用がないことを祈りたい。