2006年5月21日(日)

宇奈根

東京都世田谷区宇奈根

リス

宇奈根、うなね。不思議な音感のある地名だ。○○ヶ丘みたいに軽々しくない、何代にもわたる人々の生活の重層を感じる。

かなり古くから有る地名らしく、昔々は溝渠(用水路)をウナニと言い、これが転じたと云う説がある。最近まで、田畑の広がっていた地域だ。

用水路を埋めた跡の宇奈根下河原緑道を辿っていくと、宇奈根龍王公園に土地区画整理事業を記念した記念碑が建っている。そこに彫られた歌「いつの世にうなねの神をいはひそめて里の名さへにいひならしけん」は国学者高田与清が「世田谷紀行」(文化12年(1829))で詠んだものだそうだ。

花

宇奈根氷川神社の「氷川神社復興記念碑」にも、江戸時代の歌人橘千蔭が天明の末年(1788頃)に詠んだ「うしことのうなねつきぬきさきくあれとうしはく神にぬさ奉る」という歌が引用されている。意味はよくわからないけれどイイ感じ。

宇奈根1丁目から、宇奈根下河原緑道→宇奈根龍王公園→宇奈根中島公園→喜多見一丁目広場→喜多見まえこうち緑道→喜多見公園→喜多見緑道→岩戸川緑地公園と辿っていくと、二子玉川付近から狛江まで、多摩川とはまた違ったほのぼのとした散歩が楽しめる。緑が豊かでせせらぎもあったりするので、日差しがキビシくなるこれからの季節におすすめだ。

宇奈根西部地域の歴史