2006年3月11日(土)

観音寺

東京都新宿区西早稲田1-7-1

正面

神社には杜(もり)、寺院には屋根、教会には塔、なのだそうだ。それで、屋根と雨樋だけのお寺をつくろうと設計者の石山修武は考えたという。早稲田大学の傍らに建つお寺らしからぬ建物の謎がやっとわかった。

雨樋

最初にみつけた時の印象は前衛劇団の小劇場か、ちょっととんがったレストラン。神田川からアプローチしたので、後ろから横を通り、正面に回って初めてお寺だとわかって驚いた。ごっつい雨樋の先が尖って、戦闘ロボットの手のようだ。

赤い壁の手前に壺が置かれていて、雨水はここへ流れ込む仕組みになっている。ダイナミズムと侘び寂が壁一枚を挟んだ微妙なバランスで接している。

平成8年(1996)の作品。

(2006/6/11 記)