2006年7月22日(土)

文化放送 四谷局舎

東京都新宿区若葉1-5

正面

When I was young, I'd listen to the radio だった昔、ダイアルはいつも文化放送にあっていた。まだアナログだったチューニングは、少しずれると中国語やロシア語が聞こえてきたりして、調布市とちょっとその先ぐらいしか知らなかった中学生は広い世界の存在に目を開くのだった。

通用口

TVの歌謡番組に一線を引いて、ちょっと背伸びをして洋楽を聴き始めた頃。Beatles のgroovy な歌で始まる「みのもんたのカムトゥゲザー」から深夜の「セイ!ヤング」まで、Carpenters の歌そのままに、机の上のラジオに耳を傾けていた。みのさんはまだ普通のDJ(ディスクジョッキー)だったし、落合恵子はレモンちゃんだった昔々。

その文化放送が四谷の放送局を閉じて浜松町に移ると聞いて、最後の姿を見に行ってきた。噂を聞きつけた人たちがひっきりなしに訪れて記念写真を撮っていくが、引っ越しのトラックがずらりと横付けされてみんな構図に困っているようだ。

アメリカに初めて行った時に、朝から晩まで牧師が説教をしているTVチャンネルがあってびっくりしたことを思い出す。実は文化放送も、カトリック聖パウロ修道会の設立によりカトリック放送局を目指したが、認可が難しくて一般の放送局になったという。正面のステンドグラス風の意匠はその影響だろうか。

梓建築事務所の清田文永の設計で昭和26年(1951)に建てられ、中には聖堂もあるそうだ。