戸山鋼筋住宅給水塔（第一給水塔）
東京都新宿区百人町3-30
陸軍戸山練兵場跡に建てられた都営戸山アパートは建替えが進み、昭和24年（1949）に建てられたこの給水塔も風前の灯火であるらしい。4丁目にあった第二給水塔は昨年（2005）壊されてしまった。まわりを覆うツタの葉が、廃墟的情緒を盛り上げている。
仰ぎ見る緑の塔は、陽を透かして光る葉と陰になった葉が微妙なコントラストを生み出し、吹く風がさざ波のように塔の表面を渡っていくさまが美しい。
塔の上部にはガラス張りの四阿があって、旧・淀橋消防署の火の見櫓としても使用されていたという。当初は4階建てだった戸山アパートもいまは高層のマンションに替わって、高さ54mの塔では隣の火事も見えなくなってしまった。
※ 訪問直後の2006年秋に取り壊されたそうです