2006年7月22日(土)

西大久保富士

東京都新宿区歌舞伎町2-17-5(鬼王神社 富士塚)

鬼王神社

一般人にはちょっと怖いイメージのある、眠らない街・新宿歌舞伎町。そのすぐ裏で、ビルに挟まれて窮屈そうに鬼王神社が鎮座している。道路の向かい側から向けたカメラのフレームに入りきらないほどに背の高い木が生い茂る境内にはいると、今までの景色との落差に一瞬、どこにいるのかわからなくなりそうだ。

西大久保富士

この地にあって“鬼王”とは絶妙な名前だが、もちろん神社が建った頃の新宿は、こんな猥雑で不思議な街ではなかっただろう。

鳥居をくぐるとすぐ左手に、ギリシャ神話のアトラスさながらに水鉢を頭に載せて神妙な面もちの鬼がうずくまっている。彼もこの街の変化には驚いているに違いない。

拝殿の裏手に回ると、小さな富士塚が祀られている。富士講は江戸時代のものだと思っていたのだが、塚の周囲には昭和五年の日付が彫られた石碑もあった。そう言えば平成になってからも、身近に木曽の御嶽山へ団体バス旅行で登りに行った人の話を聞いたことがある。山岳講は様々に形は変えながらも、いつの世にも続いていくもののようだ。

水鉢の説明