ふるさと村
東京都八丈島八丈町大賀郷大里1104
ここはどこ?
島へ渡る船に乗る前にお台場で感じた問いをここでも発してしまう。今回の旅は日常からの脱出がテーマだったのだが、その目的は十二分に達成している。
台風の通り道故まわりを石垣で囲み、高温多湿な気候から穀物を守るために倉は高床式にする。母屋の他に牛小屋(マヤ)と便所(カンジョ)のある古い屋敷を陣屋跡に近いふるさと村で見ることが出来る。
いわゆる民家園で藁葺きの家を見る時に思い浮かぶのは、庭を走り回ってミミズをつつく鶏や家の前に青々と広がる水田の景色だろう。しかし、ここではそのどちらも想像できない。ただ、目に入ってくる青い海と椰子の葉を揺らす風を受け入れるだけだ。
縁側に座って呆然とセミの声を聴いていた。
※ 2018年1月に火災があり、施設内の木造家屋など6棟が全焼。今は閉鎖されています。