2006年9月17日(日)

国産飛行機発祥の地

東京都新宿区西五軒町12-10

千代田商会

神田川が高速道路に覆われる江戸川橋−後楽園間の中程に建つ古いビルの脇に、「国産飛行機発祥の地」を示す説明板が建っている。

徳川好敏陸軍大尉と航空機による日本初飛行を争い、代々木公園に記念の胸像を残す日野熊蔵陸軍大尉が、自力で国産初の飛行機「日野式一号機」を完成させたのがこの地だという。

試験飛行は明治43年(1910)3月18日に、今は早稲田大学理工学部などになっている戸山ヶ原練兵場で行われたが、滑走はするものの機体は浮揚せず飛行には成功しなかったようだ。その後、日野式は三号機まで製作されたがいずれも失敗に終わったらしい。 

日野氏はこれに先立つ明治37年(1904)に自動拳銃も製作している。日本で開発され国際特許も取った拳銃として歴史的には評価されているが、陸軍では採用されず、商業的にも成功しなかった。

国産飛行機製作に関わった林田商会は既になく、跡地に建つ会社もショーウィンドウを見る限りでは元気がない。何とも寂しい記念の地であった。

新宿区教育委員会の説明板