2006年9月17日(日)

ニコライ堂

東京都千代田区神田駿河台4-1-3

ニコライ堂

湯島聖堂で獣たちに囲まれ、心細い気持ちの私の耳に、ガランゴロンという鐘の音が聞こえてきた。救いの天使が舞い降りるかのようなその響きは、聖橋(二つの聖堂を結ぶことからその名がある)の対岸に建つニコライの鐘だ。

「ニコライ堂」として知られるビザンチン形式の大聖堂は、正式名を「日本ハリストス正教会教団 東京復活大聖堂」と言う。昔の歴史の授業では「東方正教会」という呼び名を習った覚えがある。“東方”という通りの亜細亜的なたたずまいが、微妙に異国情緒を感じさせつつも日本の景色にしっくりとなじんでいる。聞こえてくる賛美歌は、敬老の日の催しが開かれているようだ。

ビルに囲まれる前は、駿河台の高台に建つその姿が東京のあちこちから見えたそうだ。その鐘の音は歌にも唄われて、今も人々に愛され続けている。

解説板