どこ行くの？
東京都稲城市坂浜2198
映画「ギルバート・グレイプ」（監督：ラッセ・ハルストレム、1993）の冒頭に、レオナルド・ディカプリオ演じる少年が、滅多に車の通らない町に年に一度だけやってくるキャンピングカーの列を迎えて歓喜する場面があった。車の来ない日も、彼は道路に出て誰かが通るのを待っている。ほとんど人の出入りのない片田舎の町で暮す彼は、いつもそうして外の世界とのつながりを求めている。
京王線若葉台駅近くの鶴川街道沿いにも、日がな一日行き交う車を見ているどら猫（虎かな？）がいる。目の前の通りは交通量も多く、彼はそんなに寂しい思いはしていないようだ。薄目を閉じた少しニヒルな表情を見ると、「みんな忙しそうで、ご苦労様なこった」とでも言っているのかもしれない。
同じように道路を眺めていても、それぞれの感じ方があるものだ。
我が家の近所にも、塀越しに通りかかる人たちを眺めている犬がいる。道行く人をじっと見ているやさしい目は、「あら、どちらへお出かけ？いいわねぇ。私も散歩に連れてってよ。」と言っているようだ。
(2014/1/7) 久しぶりに通りかかると、どら猫も資材置き場も影も形もなくなっていました。ご近所の犬も最近見かけません。