2006年10月22日(日)

清澄庭園

東京都江東区清澄3-3-9

石

石と岩の違いは何だろうか。石は持てる、岩は持てない。石は投げられる、岩は投げられない。石は石だけで存在できる、岩は地盤、山と一体化している。

磯渡り

どれも当たっているようで、ちょっと違うような…。

清澄庭園には日本各地からさまざまな名石が集められて、風流に配置されている。どれも大きくて、持てないし、投げられない。多くは地面に埋まっているけれど、やっぱりそれらは岩ではない「石」として自己を主張しつつ、まわりに調和してそこにある。

たとえば京都龍安寺の石庭のように石だけで構成された空間には哲学的で抽象的な雰囲気が漂っているけれど、緑の中に配された石たちは、あるものは山、あるものは島、時には身のまわりにうごめく霊的なものの象徴として現実的、具体的なイメージを私たちに想起させる。日本文化独特の空間演出によって、具象と抽象の溶けあった不思議な世界が訪れた人々の前に提示されている。

日本庭園は奥が深いと、いつも思う。

説 明