下麻生の道標
神奈川県川崎市麻生区下麻生2-27-18
迷いながらも、やっとこさで王禅寺公園にたどり着くと「柿生の里散歩道」と書かれた地図を見つけた。その中に「月読神社」という気になる名前があったので、地図に従って小田急線柿生駅方面へ走ることにした。
この地図は柿生駅から王禅寺までの間の史蹟をぐるりと回るコースを案内しているのだが、ウォーキング用なのでやたらと脇道に入りたがる。しかもコース外の地図が省かれているので、「ここの神社に寄らずにこの道をまっすぐに行けば次の目的地に着きそうだ」と思っても確かめることができない。迷いそうな分岐点に必ず立っているものでもないようだ。
相変わらず迷いながら進んでいくと、自販機の陰に古い道標を見つけた。四面には、
北 柿生驛近道 眞福寺 生田
西 柿生驛 鶴川 原町田 八王子
南 市ヶ尾 川和 横濱
昭和四年十月建立 下麻生…(以下不明)
とあり、下の方に続いているらしい字は埋もれて見えない。
まっすぐ通り過ぎるつもりだったが、写真を撮りながら道標の周りをぐるりと回っていたら、垂直に折れる道(道標が「西」と指している方角、写真の右手)に「月讀神社→」の案内を見つけた。「危うく通り過ぎて、また迷う所だったぜ」と思いながら案内に従って進むと、丁字路の突き当たりに「月読神社参道」と書かれた案内が立っていた。丁字路かと思ったが、民家の裏山にはいっていくような山道が先に延びている。この道が、さっきの道標で八王子へと続くと示された道なのだろうかと訝しく思いつつも自転車を牽いて進んでいった。快晴の昼日中にも関わらず、林の中は薄暗く、ポツンと電灯が灯っている。
迷走は続く。