おとめ山公園
東京都新宿区下落合2-10
天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ 僧正遍昭
「おとめ」と聞けば百人一首のこの歌が浮かんでくるが、残念ながらこの公園の名を漢字で書くと「御留山」。立ち入り禁止の山という意味だ。
将軍家が狩猟のためにこの一帯を立ち入り禁止にしていたために、豊かな緑が残ることになった。すぐそばを山手線が走る都会の真ん中に、こんな雑木林が残っているとは驚きだ。
華やかなもみじのような木は少ないけれど、全体に秋の気配が満ちている。かさかさと落ち葉を踏みながら歩く道が気持ちいい。
そういえば、乙女の仮名は“をとめ”だった。