2005年3月14日(月)

九段会館(旧軍人会館)

東京都千代田区九段南1-6-5

全景

名古屋へ行った時、愛知県庁の屋上に天守閣のような立派な屋根が載っているのを見てビックリした。さすが「尾張名古屋は城でもつ(伊勢音頭)」だな、と感心したものだが、実際はお城とは無関係だった。この型式は「帝冠様式」といって、昭和初期に建てられた一群の建築に特徴的なものだという。

魔除け

帝冠様式は、大正8年(1919)の国会議事堂(帝国議会)設計コンペ(設計競技)に下田菊太郎が提出した「帝冠併合式」の案に始まる和洋折衷の様式で、戦中は「西欧のビルを制して“帝”国の“冠”を載せる」ということから国粋的な解釈もされていたようだ。

昭和9年(1934)に“軍人会館”として建てられた九段会館は、そういう意味で帝冠様式の代表的な作品といえるだろう。設計者は川元良一。昭和11年の二・二六事件の際、ここに戒厳司令部が置かれたことでも知られている。

隣接して昭和館、千鳥ヶ淵と靖国神社の集まる九段の地には、華々しい桜の陰に、今も重い想いがわだかまっている。