2005年11月26日(土)

竹清堂

東京都杉並区下高井戸3-1-2

竹で編まれた象

大相撲九州場所。呼び出しさんが箒で丁寧に土俵を掃いている。もちろん土俵で掃除機は使えないが、「掃清める」と言う言葉があるように、箒には掃除機には代われない大事なものがあるのかもしれない。

わたしは現代文明の騒々しさが苦手だ。騒音公害を例に出すまでもなく、ポリ袋のガサガサいう音や触るたびにピッピという電気製品、空調機が間断なく発する風の音など身の回りにあふれる音の洪水が神経を逆撫でする。部屋の掃除も、できれば箒でしたい。

竹清堂

そんなに遠くない昔、買物かごが現役で活躍し、掃除機よりはたきやほうきが主役だった頃には、もっと穏やかな音の世界があった。人の心ももう少し優しかったような気がするのは、単なるノスタルジーだろうか。

甲州街道と荒玉水道道路の交差点近くに、明治40年創業という竹細工の店がある。ほうきと同じように現役を遠ざかった竹籠や木べらが、ちょっとすました工芸品となって並んでいる。騒々しい甲州街道のはたにあって、ここだけ静謐な時間が流れているようなたたずまいが印象的だった。