行人塚
東京都調布市飛田給1-25
京王線飛田給の駅前、旧甲州街道に面した薬師堂の境内に行人塚と呼ばれる石碑が建っている。仙台伊達家の家臣・松前意仙が諸国遍歴の末、元禄15年(1702)にこの地で入定したこと事を伝えるものだ。
薬師堂に祀られている薬師如来像は意仙の作になるものと伝えられる。薬師様は目を治してくれるという信仰があり、また意仙が医者であったことから、眼病の治癒を祈願する人が昔からお参りしていたようだ。
ここでは意仙の命日とされる12日に毎月念仏講が行われている。大祭が行われる9月12日のみ男衆によって執り行われるが、これ以外は女衆が行うのが特徴だそうだ。いつから続いているものかはわからないが、意仙の時代から300年の間守られてきた民間信仰の形を今に伝えている。都市化が進み世の中は様々に変化しているけれど、人々の暮らしは簡単には変わらないということだろうか。