羽村取水堰
東京都羽村市玉川1-1
春の桜が終り、水遊びには少し早いけれど、あいかわらず羽村堰の周囲はバーベキューパーティーをしたり散策する人たちで賑わっている。玉川上水の起点となるここは、多摩川、玉川上水、双方を走るサイクリストにとってもメッカとなっている。
玉川上水へ水を分ける取水堰は、よく見ると材木を積上げたもので水を堰き止めている。コンクリート万能の現代には珍しい方法だが、この工法は江戸時代に玉川上水ができた当時から使われており「投げ渡し堰」と呼ばれている。横に渡した松の丸太を縦棒で押え、増水時にはこの支えをとることで堰を切り、付近を洪水から守ると共に汚れた水が上水に流れ込むのを防ぐというものだ。
堰の横には、奥多摩の材木を江戸へ運ぶための筏師たちが通った「筏通し場」が残っている。我家の近くを通っている「筏道」が、ここを通って材木を運んだ筏師たちの帰り道だったことを思うと、なんだか羽村に親近感がわいてくる。