日比谷公園前交番
東京都千代田区日比谷公園1-1
シンプルでモダンな外観の日比谷公園前交番(警視庁丸の内警察署)は、横河健の昭和62年(1987)の作品だ。
ファサードは金属の箱のようだが、公園側から見ると、成城あたりで見かけるコンクリート打ちっ放しのモダン住宅のようでもある。コルビジェ風のピロティを支えるコリント風の柱は、周囲に立ち並ぶ近現代の名建築たちに捧げるオマージュか。
通りの向かい側に並ぶビル群に対峙して、日比谷公園の緑を背に個性的な個人住宅のように建つ小さな姿は、かつての会社人間中心の社会に対して、個人の生活を大事にする人たちが増えてきた新しい時代の空気を表現しているように見えた。