稲荷塚古墳
東京都多摩市百草1140
昔の恐竜図鑑では、ティラノサウルスなどはゴジラのように直立してだらりと下げた尾を引きずって歩いていた。それが、最近の研究では頭を下げて尾を跳ね上げ、後ろ足を軸にしたシーソーのような格好になっている。
ハリウッド版「Godzilla(監督Roland Emmerich、1998年)」は最近の恐竜観で作られたので、「あれはゴジラではない!」と日本中から総すかんを食ったものだった。
このように考古学などでは、調査研究が進むにしたがって定説が変わり、子どもと話が合わなくなることが間々ある。数少ない遺物から誰も見たことのない昔を想像するのだから無理もないことだろう。
多摩市にある稲荷塚古墳は昭和44年(1969)に立てられた東京都教育委員会の説明版では円墳とされているが、その後の調査で八角墳であることがわかったという。八角墳は古墳期後期に近畿地方のみで築造された天皇クラスの最高実力者の墓であるとされてきたが、それもこの稲荷塚古墳の発見により揺らいでいるようだ。