2005年8月22日(月)

いのはなトンネル列車銃撃遭難者慰霊碑

東京都八王子市裏高尾町800付近

慰霊碑

映画「禁じられた遊び」(監督:ルネ・クレマン、1951)の冒頭。機銃掃射を受け、橋の上に伏せたポーレットの両親の背中にぽつぽつとちいさな穴が開いて、あーでもうーでもなく静かに骸となってしまった二人の姿が目に焼き付いている。昔見た映画なので記憶違いかも知れないが、そのあまりのあっけなさがショックだった。

湯のノ花トンネル

裏高尾の圏央道八王子ジャンクション工事現場付近は、終戦間近の昭和20年(1945)8月5日に中央線の列車を狙った米軍の攻撃があった所だ。湯の花トンネル(通称:猪の鼻トンネル)にさしかかった下り電車が、あと数mという所で米軍の機銃掃射に遭い、百数十名の乗客・乗務員が犠牲となった。

伝えられる被害の状況は、当然の事ながら、映画のように静かなものではなかった。その悲しみや無念を鎮める碑が、線路脇の畑の中に建っている。

事件当時を思ってトンネルにさしかかる下り列車を撮ってみた。

当時は単線だったので、実際の現場は現在の上り線側になる。煉瓦造りの古いトンネルが、今も現役で使用されている。

※ 2014年3月11日に再訪し、慰霊の会の説明板を追加しました

碑 文 | いのはなトンネル列車銃撃遭難者慰霊の会の説明板