福生のビール小屋
東京都福生市熊川一番地 (石川酒造)
昼過ぎに家を出たのでそんなに遠くまで走るつもりはなかったのに、新しい自転車で調子に乗って福生まで来てしまった。サイクリングロードを往復するだけではつまらないからと迷い込んだ福生の里で、創業文久3年(1863)という酒蔵を見つけた。
杉玉(酒林)が吊られた立派な長屋門に置かれたスバル360がかわいくなつかしい。
「多滿自慢」という日本酒の醸造元だが、明治21年(1888)〜23年のわずかな期間ビールの製造もしていたという(※)。その地ビールが平成10年(1998)から復活して、酒蔵に併設された「福生のビール小屋」で飲むことができる。
多摩川を上ってきたライダー達には丁度良い折り返し点ということなのだろう。自慢のバイクを並べて一息ついているライダー達が何組もいた(もちろんオートバイではなく自転車 … 自転車でも飲酒運転禁止だけどね)。
わたしは帰りの時間が気になったので、「多摩の恵」というペールエールをお土産にして帰ってきた。“瓶内発酵ビール”という製法で、ラベルの説明によると「3〜5年後には香味のピークをむかえ熟した果実のような味わいが楽しめます」ということだったが、そんな我慢はとてもできない。
ビールおいしゅうございました。
※ 最初のビール醸造の年を明治20年(1887)としている資料もあるが、正しくは、明治20年夏から設備や原料の準備を始め明治21年2月から醸造を開始した、と酒蔵の方に教えていただいた。